~事務所だより~
こんにちは。安田コンサルティングの安田です。本日は中小企業基盤整備機構(中小企業大学校)と茨木市の共催で実施された「基礎から学ぶ決算書の読み方・活かし方」の講師を担当した様子をお伝えいたします。
研修の狙い
決算書は日々の事業活動の成果が年度の実績となって表わされるものです。決算書の見方がわかると、自社の現状把握が可能となり、これからの活動を考える指針になるため、今後の業務にも大いに役立ちます。本研修では、モデル決算書を題材にして決算書の仕組みや用語の意味、数字の流れなどを理解します。また、事例演習を通じて実際の事業活動との連動をイメージしながら、決算書の読み方のポイントを学びます。
構成
1.決算書と財務の基礎
決算書を読む上で必ず理解しておきたい事項について学びます。
1) 決算書で使われる用語の意味
2) 法人と個人事業主の決算書の違い
3) 損益計算書と貸借対照表を読む
2.決算書の活用とキャッシュフロー
事業活動と決算書の結びつきや、キャッシュの重要性に着目した経営改善のポイントについて学びます。
1) 決算書から読み取れる業界ごとの決算書の特徴
2) 利益と資金繰りの違い
3) 資金繰り改善のための8つのポイント
3.財務分析の入門
モデル決算書を題材に、財務分析の基本的な知識を学び自社経営に活かすためのポイントについて学びます。
1) 収益性と効率性の分析
2) 生産性の分析
3) 損益分岐点分析について
4) 簡易キャッシュフロー計算書の作成について
こちらの研修は中小企業大学校と茨木市の共催で行われました。過去には同様に宝塚市・宝塚商工会議所との共催で行われたことがあるセミナーです。サテライトゼミということで大学校ではなく共催の自治体で行われるため地元の企業さんとしても参加しやすい形となります。
開催期間は2日間。それぞれ10時~17時(休憩1時間)です。座学だけでなくワークやグループディスカッションも盛り込み、インプットとアウトプットのバランスにも工夫いたしました。
12名参加いただき、皆さんと名刺交換させていただき終了時にはうれしい感想をたくさんいただきました。ご満足いただけたようで良かったです!!
~建設業ニュース~
【国交省等の調査結果:下請の価格転嫁、半数は要請・交渉せず】
建設資材の価格高騰が深刻化してから、建設業で価格転嫁がどの程度行われたのでしょうか。国土交通省と中小企業庁、公正取引委員会がそれぞれ実施した調査から、その実態が明らかになりました。主に下請の立場でコスト上昇分の取引価格への転嫁を要請したり、価格変更を交渉したりした割合は50%台でした。コスト上昇分を自社で抱え込んだり、取引関係の悪化を恐れ元請への協議の申し入れに至らなかったりするケースも散見されました。
各調査では下請が価格変更交渉を申し入れても、協議が拒否されたり、そもそも申し入れをためらったりするケースが実際に確認されました。中企庁のフォローアップ調査では「協議を申し入れたが話し合いに応じてもらえなかった」が5・9%。コスト上昇にもかかわらず協議を申し入れなかった理由として「自社で吸収可能と判断した」(17・1%)、「発注量の減少や取引中止を恐れた」(6・1%)が挙がりました。