国土交通省より興味深い統計資料が発表された。
『増改築・改装等調査結果(平成16年分)』であるが、そこには市場が前年から縮小傾向にあることを示している。
工事件数は全建築物で31.7万件(前年比7.2%減)と減少しているが、1件当たりの平均工事実施額は381万円(前年339万円)と増加している。この381万円の工事規模は単なる改修工事では大きなものであるから中心は増床を伴う増改築工事であると推測する。1件あたりの工事実施額は住宅で265万円、非住宅で2,432万円となっている。
以下は同資料からの抜粋である。
全体の概要
(1)平成16年の増改築・改装等の実施状況は、工事件数317,371件、工事実施額12,098億円。内訳では増築が工事件数51,347件工事実施額7 177億円、改築が工事件数6,117件、工事実施額772億円、改装等が工事件数259,907件、工事実施額が4,149億円となっている。また、住宅が全体で工事件数300,402件(構成比94.7%)、工事実施額7,971億円構成比65.9%となっており住宅の占める割合が高くなっている。
(2)構造別では、木造が工事件数245,819件、工事実施額7,152億円、非木造が工事件数71,552件、工事実施額4,947億円となっている。
(3)全建築物の1件当たり平均工事実施額は、381万円(増築1,398万円、改築1,263万円、改装等160万円)で、住宅が265万円(増築788万円、改築1,047万円、改装等157万円)となっている。構造別では、木造が291万円(増築838万円、改築1,433万円、改装等152万円)、非木造が691万円(増築3,349万円、改築207万円、改装等185万円)となっている。
(4)全建築物について工事期間別にみると、3ヶ月以内のものが工事件数で275,500件(構成比86.8%)、工事実施額では7,027億円(構成比58.1%)となっている。
テレビ番組で住宅リフォームが大きく取り上げられこの市場は拡大傾向にあるイメージであるが、実際にはそうでもないことがわかる。しかし、市場規模でいえば1.2兆円ほどあることになり魅力的な市場であることに変わりは無い。