今の時期、来期の計画を立てている会社は多いと思う。そしてその焦点は当然、来期の売上目標、利益目標である。あなたの会社ではどういった目標の立て方をしているだろうか。「来期はがんばって今期より3%アップ!」あるいは「来期は設備関係の過渡期であるから何とか現状維持!」など様々であろう。この言わば希望的・スローガン的な目標は大切である。さらに欲を言うならばなぜ「3%」、「現状維持」なのか理由付けが欲しいところだ。「3%アップすると○○円借入金の返済が可能だ!」といったところだ。
さて、目標が設定できたらそれを段階的に細分化していく必要がある。目標売上、予算、目標利益は全体目標。各部門別などに割り振る必要がある。ここで単純に頭割りなどするとあいまいな目標設定になりがちである。あいまいな目標は正確な目標よりも尾を引いて軌道修正が困難である。何故なら設定があいまいなため、表面的な数値しか評価できないからである。それではどうすればよいか?このあたりから必要になってくるのが過去のデータとの比較分析である。過去数年分の売上、原価、利益の関係を洗い出し、目標達成できる数値を割り出すのである。何も変化していないのに目標だけ上がっている場合はそもそも破綻している。目標は1年後には実績になる。「目標を上げろ!」と言われると鉛筆をなめながら「3%アップにしておくか・・・」となるが、「実績を上げろ!」と言えば何か策を捻出しなければならないという意識が芽生える。「売上実績を3%上げる策を考えろ!」である。営業支援ツールを導入して訪問顧客数を増やそう・・・案件が増えると施工担当者が多く必要だ・・・今のうちからA君を現場担当として集中的に教育しよう・・・が一例となる。企業における1つ1つの活動が全体目標に向いている必要があるのである。それを確かめるには全体目標から個々の活動に落とし込むことがやっぱり不可欠である。