高齢化社会に対応する

KDDIのツーカーSに引き続き、ドコモが通話専用携帯電話らくらくホン シンプルを打ち出した。表向きは携帯電話の複雑な機能に対応できない高齢者向きに通話機能に限定したハードウェア側からのアプローチと捉えることができる。今後高齢者の割合が増加する日本において高齢者市場はもちろん無視できない。
私は高齢化社会に対応するサービスや技術の提供はすべて「コミュニティ」を意識しなければならないと考えている。単に頭数が多いから画一的に対応していては大きな落とし穴にはまる。高齢者はその個人がもつ環境、経済力、好みなど、若者のそれとは比べ物にならないほど多様である。そうなればある種コミュニティ単位でのサービスや技術を提供することが必要となる。共通の趣味をもったサークルなどが分かりやすい例だと思う。このコミュニティの形成を手助けする手段として携帯電話の活用を考えた場合、コンテンツの提供が面白いビジネスになると考える。例えばこうだ・・・俳句の趣味の場合を考えてみよう。従来であれば自宅で思いついた俳句を何かに書く。外出先でもできた俳句は何かに書かなければいけない。そこで『俳句デスク』コールセンタサービスを提供する。出先で思いついた俳句は何かに書き留める必要はなくすぐに携帯電話で『俳句デスク』に電話してオペレータに俳句の内容を話す。後日装飾された俳句用紙に印刷された自分の俳句が届けられる。もちろん会員制で地域ごとの「俳句サークル」を形成し、高齢者のコミュニティへの参加機会も提供する。
現在のIT社会においては「そんなのメールでいいのでは?」、「そんなのにお金出すの?」と思われがちだが、高齢者の目線で考えれば案外面白いサービスではないかと・・・