訪問を開始して半年になるとある建設会社での話。
情報システムを利用して、経営課題だった原価管理の強化と収益性の向上を図ろうという会社だった。半年前に最初に訪問した際にいただいた社長の名刺の裏に「予算実績管理率70%、粗利ベースで5%アップ」と書いておいた。今のところシステムも無事稼動してきたのであるが、重要なのは安定稼動なのではない。
「社長、そろそろ効果のほどを評価してみませんか?」と一言。ここで多くの会社は「評価ってどうやって何を評価するの?」と聞いてくる。この建設会社はその大多数ではなく少数派であった。社長席のノートパソコンに貼られた無数の付箋紙から1枚取り出して「これでしょ?」と差し出してくれた。最初の打ち合わせのときにお願いして記入していただいた付箋紙だった。名刺の裏に書いた「予算実績管理率70%、粗利ベースで5%アップ」と同じことが書いてある。
もう経営改善が持続する仕組みができているようで、情報システムは道具の1つでしか無いことを理解していただいている。自分が提供したノウハウは微少なものであったが、今後も末永くお付き合いしたい会社の1つである。