テーマ「働き方改革と建設業の今後について」にて商工会議所さんで講演して参りました!

泉佐野商工会議所さんの建設業部会にて講演をさせていただきました。テーマは「働き方改革と建設業の今後について」です。1時間という短い時間でしたが、色々と要点を絞って説明させていただきました。

まずは国が言っている働き方改革と建設業との関わり。残業時間規制は2019年4月からスタートしていますが、建設業では2024年4月まで猶予期間があります。割増賃金の引上げは2023年4月。同一労働同一賃金は2020年4月。中小企業は2021年4月からです。

そして国土交通省が進める建設業働き方改革加速化プログラム。
①長時間労働の是正、②給与・社会保険、③生産性向上の3本柱です。
長時間労働是正については現場の週休2日制の推進、適切な工期設定等のためのガイドラインがポイントです。給与・社会保険は社会保険加入を建設業許可の要件に加えたり、建設キャリアアップシステムによって技術者のキャリアの見える化を図っていきます。生産性の向上についてはICTを使ったiConstructionの推進です。BIMに続いてCIMを進め、生産性を2割向上させる目標が設定されています。

こうした多方面からの施策が講じられるのは建設業界の将来に対する大きな不安があります。現在、技術者は3人に1人が55歳以上と言われています。10年後、3人に1人が現場から退くということです。そして29歳以下の割合は9人に1人です。若者が建設業に入ってきたいと思える業界にしなくてはなりません。統計データはさらに建設業の深刻な状況を表しています。例えば年間の労働時間。建設業は全平均の割合よりも年間336時間多く、出勤日数では29日多いとのことです。労働時間が長く休みも少ないのです。

しかしながら建設業の仕事は誇り高くやりがいのある仕事です。「労働時間や休みが何だ!」と言いたい方も多いと思います。でも皆さんがこの業界に入ってきた1年生の頃を思い出してください。今のように仕事の面白さ、魅力、やりがいを感じていたでしょうか。決して多くない給与のなかで、先輩に毎日怒られ、朝早くから夜遅くまで働き、一度は「こんな仕事やめてやる!」と思ったことがなかったでしょうか。それでも思いとどまった時代。でも今はそこで思いとどまってくれない人が多いのも事実。建設業の仕事に魅力を感じる前に業界を去ってしまうのです。そこをどうにかしたい。どうにかしなければこの業界全体が衰退してしまうのです。

そうしたことを語ってきた1時間でした。短い時間でしたが、聞いてくださった方々の胸に何か残ってくれればと願っています。