コンバージェンスの波

 財務会計基準機構の企業会計基準委員会(ASBJ)が工事進行基準と工事完成基準の選択適用について見直しを進めているそうだ。現在長期工事の収益計上では選択適用が認められているが国際会計基準では工事進行基準の適用となっている。
 今回の検討の流れは国際会計基準にのっとった工事進行基準の一本化という訳ではなく、「工事完成基準を適用すべきケース」と「工事進行基準を適用すべきケース」を整理するらしい。
 実現主義・発生主義にて長期の仕掛工事も年度ごとに売上・原価に計上する考え方は私は好きなのであるが、見積総原価と発生原価の割合で出来高を算出するため、見積も総原価を恣意的に変更させれば利益操作につながってしまう危険性もある。また、原価は決して線形に推移するわけではないので単純に原価で出来高を算出すること自体無理があるようにも思える。
 そういった現状も踏まえた適用ルールが与えられることを期待する。