予算と原価は単価、数量そして時間で測れ!

 建設業における実行予算と発生原価を比較して適正な利益を確保できるように努めることは重要な管理業務である。
 予算 = 予定単価 × 予定数量
 工種ごと、材料ごとなど様々な局面でこの式は成り立つわけだが、単価を下げるには資材業者への交渉が必要であるし無理な交渉は協力関係が悪化し、長期的にコストアップに繋がる。数量は手直し等の含みがあるのであればそれらを削減することはできるが、不正な目減らしでもしない限りありえない。そのため材料に関しては単価がコストダウンの唯一の要素となる。
 しかし、もうひとつ重要な要素として労務費がある。
 労務費予算 = 予定労務費単価 × 予定人日
 労務費単価も下げるには限界があるが、予定人日は削減することができる。工事にかかるまでの段取りを重点管理し、今までかかっていた工期を短縮するのである。直接工事に携わる労務費を削減できる他、重機のレンタル費用や警備員の労務費なども合わせて削減することができる。
 工期短縮は簡単ではない。下請業者への値引き交渉の方が楽なためどうしても視点はそっちに向いている。しかし本当にやるべきは別にあるのだ。