工事をブランド化する

 建設会社が自社の製品(工事)を売り込むのにどうしたらいいのか相談を受けることがある。自社の製品(工事)の販売を伸ばすには顧客のメリットを訴求することが大切と前にここでも紹介したことがある。「あなたの会社が顧客に選ばれる理由は?」の問いに顧客の視点で答えるのだ。そしてもっと売り込みやすくするためにあと1ステップある。それはブランド化である。ブランドといえば少し大袈裟に受け止められるかもしれない。工事にキャッチコピーや名称をつけて覚えやすくする程度のものである。しかしそれが購買意欲をより高めることにつながるのである。
 人間がある商品を見つけてから購買にいたるまでの心境の変化をその頭文字をとってAIDMAと呼ぶ。
 ・みつけてもらう
 ・興味をもってもらう
 ・欲しいと感じてもらう
 ・覚えてもらう
 ・買ってもらう である。
 例えば型枠工事を専門に手がける会社があって、その特色は段取りの良さからくる短い工期であったとする。(特色で「安い」というのは基本的に長続きしない)
 安田工務店の『型枠特急』
 
というのが一例である。A4一枚もののチラシサイズで大きくタイトルをうたい、自社の特徴や施工写真などを掲載する。
 「あなたの会社はどういった会社ですか?」
 1.「型枠工事を専門にしてまして特徴としてはスピードにあります。・・・・」
 2.「『型枠特急』という名称で型枠工事を専門にやっています。・・・」
 続きの話が聞きたくなるのは明らかに2であろう。またイメージしやすい名称は説明もスムーズにはこび、顧客側も自分のメリットをイメージしやすいのである。
 またこのブランド化は次なる活動へ展開しやすくするものでもある。この「次なる活動」についてはまたの機会で紹介したいと思う。