工事進行基準が標準に

 本日の日経の記事。
 近いうちに工事進行基準が原則適用になりそうだ。国際会計基準に沿う形となる。日本の建設業は長い間工事完成基準を採っていた。そのため決算書も仕掛工事と完成工事の振替タイミングで大きな損益の違いが出ていた。原価管理や会計ソフトもそれに対応したシステムになっていた。
 工事進行基準が適用されれば売上高や売上原価が進捗に合わせて計上されることとなり仕掛分の未成工事支出金や未成工事受入金の計上額は大きく下がることとなるであろう。
 中小企業で問題になるのは会計ソフトの対応問題だけではない。完成基準より進行基準の方が売上・原価に計上されるタイミングが早くなる。原価はどのみち支出を伴うものだからあまり影響はないが、売上の方は竣工払いが多いため実際には請求・入金が済んでいない状態で売上計上しなくてはならないケースが多くなる。すなわち売掛金や完成工事未収入金が多くなるということである。しかし売上高に応じて課税等されるとあっては資金繰りにも少なからず影響があるものと考えられる。今後こうした場合の対応策も考慮されるものと期待しつつ動向を見守りたい。