建設業の予実算管理と経理処理

 建設業を対象とする基幹システムでは経理データ(工事の材料費や経費など)を自動で吸い上げて工事毎の予実算管理を行うものがある。非常に便利なので私もおすすめである。
 しかし、一方で経理データでは予実算管理に使えないという声も聞こえてくる。経費の予定配賦や資機材の損料配賦などまでカバーするシステムがまず少ない。また予実算管理で行う差異分析で予算額と発生額とで比較しても良し悪ししか判断できず分析ができないというものである。
 本来原価管理でいう予実算管理は数量差異と金額差異がある。積算も数量×単価で行う。しかし発生額が金額で丸め込まれるので差異の原因がつかみにくくなるのである。
 積算系システムから予実算管理を行うものもある。こちらはそういった差異がつかみやすい一方で基幹システムとの二重入力が発生する。
 どちらも一長一短であるが、その重きをどこに置くかでどちらを利用すべきかが決まることとなる。