M&A(企業の合併・吸収)ときくと規模の大きな企業が金融機関などから買収資金の融資を受けながら相手先企業を買収していくイメージがある。大きな企業が同程度あるいは小規模な企業を相手に考えるのが一般的であるが、それは買収資金の融資を受ける際にその買収元企業の信用力・企業価値が大きく影響するからである。
しかし「レバレッジファイナンス」は少し異なっている。買収対象企業の債務返済能力を融資のよりどころとする。すなわち相手先の企業価値によって融資するというものだ。もちろん通常の融資よりも金利は高めであり、財務制限条項(コベナンツ)も多い。最近ではソフトバンクがボーダフォンの日本法人を買収した例が有名だ。
日経産業新聞(2006.8.1)によればそういったノンリコースローンの利用は実際には投資ファンドなどが多く事業会社の利用は少ないとのこと。理由は条件が悪いからだ。今後金融機関の競争が激しくなり条件が改善されればソフトバンクのような買収事例が増えるかもしれない。