式年遷宮と技術者育成

 伊勢神宮の式年遷宮というものを最近知った。20年に一度同じ形の社殿を新しく造り替える行事のことだ。その歴史は古く1300年前に天武天皇が定めたものとのこと。このご時世、すぐに「どれぐらいの費用がかかるのだろう?」と考えてしまうが、ここで書きたいのは技術者育成について。宮大工や屋根を葺く萱工が20年に一度ではあるが、必ず必要となってくるということだ。当然熟練した職人でなければならない。とすればある年の式年遷宮が完了するとその年から技術者を育成したら次の式年遷宮には20年のキャリアを持つベテラン職人が育て上げられるということである。スパンを2回にすれば40年の職人ということになる。
 ここでいいたいのは技術者育成とその計画である。2007年問題もそうであるが、建設業は不況時に大きなリストラを行ったため技術者不足が慢性化している。あなたの会社で必要な技能とは何だろうか?それを習得している人材は?またその将来計画は?これを一覧表にして人材育成計画とすればよい。特に重要なのは最初の技能の洗い出しである。抜けがあって気づいたときにはもう遅いのである。時間がかかる技術者育成、計画的に取り組んでほしい。

式年遷宮と技術者育成」への2件のフィードバック

  1. 1300年前にすでに、技術伝承のシステムが
    確立していたことに驚かされますね。

  2. ぷりんさん、コメントありがとうございます。
    人材だけでなく、使用する木材も相当量あるとのことで、今は200年先に用いる予定の木材の樹木を計画的に育成しているとのことです。
    「計画」というのは本当に大事です。

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