工事原価構成に関する数字遊び

 建設工事における原価は4要素(材料費、外注費、労務費、経費)で管理する。外注費は下請への発注費用であり、その外注工事を請けた会社は新たに4要素(材料費、外注費、労務費、経費)で管理する。下請け階層が深くなるほど材料費・労務費率が大きくなるが、元請レベルでざっと比率でみると2:6:1:1となる。この6がさらに下請けにいって2:6:1:1となる・・・これが永遠に繰り返されたら結局は材料費、労務費、経費の3要素の構成となるわけだが、その合計比率はどうなるのだろうか。
 【材料費】
 元請 0.2
 1次下請 0.2×0.6
 2次下請 0.2×0.6×0.6
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 ということは初項0.2、公比0.6の無限等比級数ということになる。材料費の合計は0.2/(1-0.6)=0.5ということだ。同様に労務費、経費も求めると0.25、0.25ということになる。建設工事の原価構成比を材料費、労務費、経費でみた場合、材料費50%、労務費25%、経費25%ということだ。(※これは上述2:6:1:1の6を除いた比率に一致する。)実際には下請ほど外注比率が下がるので概算近似ということになる。材料が半分で加工費が1/4。この数値、現場の感想としてはどうなのだろうか。