やれる人だけやっている・・・それでいいのか?

 工事を管理する上で工程管理や安全対策、契約書締結から始まる外注管理、実行予算管理など現場代理人が行う業務は多岐にわたる。多くの中小企業では「やればいいのはわかっているが担当者まかせで意欲的な社員だけやっている」のが現状であろう。属人的なやり方では会社として組織的なパワーを発揮することはできない。
 そこで一度検討してみてほしいのが「やらなくていいことはやらない」である。やっていない現場がある現実は法遵守の制約を除けば「やらなくても現場は回る」である。ただし、単に「やらない」というわけではない。
 現場で必要な管理作業がA~Eまであったとしよう。甲社員は全部をこなすが乙社員はABしかできない。しかし乙社員の現場もなんとか回っている。乙社員が次にやるべき管理項目はCなのであるが経験や能力から手がまわらない。そこで甲社員がやっているDEの管理を一旦止めてみる。(※ABCは継続する)乙社員の例からするとそれでも現場はやっていけるはずである。手が空いたら乙社員のC業務をサポートするのである。会社としては現場管理業務はABCまでを必須とし、DEは一旦不要としてレベルを揃えるのである。
 特に一人ですべてをこなす現場において別の人間が絡んでくることには相当の抵抗があると思われる。抵抗があるのは自信の無さの表れと認識してほしい。無理強いしてモチベーションを落としては意味がないが「自分だけ・・・」と思わせないで「全社で一斉に行う」ことにすれば少しは抵抗も和らぐものである。