システム開発の手順を統一して意味があるのか?

 富士通や日立など情報大手8社が共同で統一基準を定めるという。開発、運用手順、用語などを統一しミスを防止したり顧客との相互チェックを容易にすることなどが目的という。
 開発方法論がこれだけ多く存在するなか統一基準を定めること自体無意味であるように思える。その理由はいくつかある。1つは開発初期段階で顧客や関連会社と進め方や開発手法、用語など綿密に打ち合わせを行う必要がある。これは統一基準があろうとなかろうと顧客もその基準を知らないかもしれないし必ず行う。そこがしっかりできていれば十分であること。逆に統一基準がベースにあることでそうした打ち合わせが簡略化されるほうがミスがおきやすいように思える。もう1つの理由はそうした基準に縛られることで開発方法論自身の発展が阻害されるのではないかということ。方法論は完成した時点で欠点が見つかり進化を必要とする。共同開発を行うにあたってもプロジェクトごとに少しずつオリジナルの考え方が取り組まれて開発方法自体がブラッシュアップされてプロジェクトメンバーの経験・ノウハウとなっていくのである。
 基準の統一は品質低下を阻止する効果はあるだろうが形骸化してしまうと余計に悪化してしまうことにも注意したい。