取引先や顧客に褒めてもらう

 顧客管理を行う際に利用者アンケートで顧客の声を集めたりあるいは取引先の担当者と直接評判をうかがったりするケースがあるが、控えめな日本人の性格か、「悪かった点をご指摘ください。」という基本姿勢ができている。悪かった箇所を直すことも勿論重要であるが良い点を伸ばすことの方がもっと重要である。特に中小企業の場合は悪いところを直して平均点を取るよりも良いところだけ突出させて悪いところは及第点でもいいのである。「うちと取引させていただいて何か良い点があれば是非教えてください。社内で話題にして励みにさせていただきます。」と素直に良い点を聴いてみよう。また社外からだけでなく内部の人間や取引のある金融機関、勧誘にくる保険の営業マンなど出入りのある人に手当たり次第に聞いてみるとよい。当然、何かお褒めの言葉をいただいたら必ず社内で公表して皆で共有する。
 この活動、良い点を伸ばすという目的もあるが、皆(特に従業員)に自分の会社を好きになってもらうための効果がある。
 リフォーム工事会社で、工事前に近隣に挨拶したところ、それが施主に喜ばれたケースがあったという。この業界、近隣への挨拶は当たり前のようにやるのであるが施主はそれを当然のようには知らなかった。とすればそこを伸ばせばよい。施主は近隣から苦情が来る「心配」の「解消」を御社から買うのであるから。もちろん、褒めてもらった従業員の挨拶の仕方も研究してみよう。ヒアリングするのもよし、同行するのもよしだ。それを共有して近隣挨拶なら地域一番の工務店を目指す。お金も何もかからない。工事内容や技術は50歩100歩と考えられている世の中、こうしたソフトなサービスが効いてくるものだ。