標準化はルール作りから

 建設会社において受注アップやコストダウンをはかる際にキーワードとして頻繁にあがってくるのが「標準化」や「ルール」といった言葉である。例えば営業活動を効率化し受注アップにつなげたいとしたとき、新規顧客、OB顧客にどのようにアタックしていくのかが課題となる。検討の際には当然成績のよい営業マンの手法を真似るのが早い。ただし、見た目の上っ面だけ真似ても駄目である。本質を真似る必要がある。これを属人的な判断で行っていては効果も半減である。そこは全社一丸でやることが大切である。そのためには「○○していこう」と全社的にルールを設けることになる。
 設計施工におけるコストダウンも同じ。担当者が個別に独自の観点で設計していては打ち合わせも時間がかかるし施工も都度仕様が変わるので効率化もやりにくい。そこで設計ルールを設けることを考えてほしい。ここで注意するのは無理にルールを設定しすぎて顧客の選択肢の幅を狭めすぎてもいけない。ローコスト住宅であればそれもいいが、自社ターゲットとする顧客層と照らし合わせ選択肢の幅も設定する必要がある。ただルール作りは顧客に対して制限を与えるものではないことを認識してほしい。設計ルールがない状態では選択肢は無限である。その無限の選択肢から担当者の属人的な知識・好みから自ずと選択肢を絞り込んでしまう。これは実は押し付け以外の何物でもない。予め顧客にとって最適な設計プランを複数用意してこれをたたき台に話をすすめることは顧客にとってもうれしいことなのである。ルール作りと押し付け。この違いを把握して是非ともチャレンジしてみてほしい。