モデル活用によるメリット

 和歌山大学で行う講義の準備を進めている。今日は講義の中で用いるビデオの内容を確認した。システム開発においては様々なモデルが提唱されているがそのモデルを活用することによりシステム開発会社や発注元にとってどのようなメリットがあるのであろうか。作業標準化による品質の安定、過去資産の利用効率向上によるコストダウンや工期短縮などが考えられる。また開発会社側にとっては企業のERP導入とよく似たベストプラクティスやグローバルスタンダードといったキーワードに関するメリットもあるとうたわれる。はたして「ベスト」で「スタンダード」なのかはモデルによる差もあるのであろうが、最近はUMLも市民権を得て多くの企業で活用されている。UMLを発注元の担当者が理解できればコミュニケーションギャップも防げるかもしれない・・・かなり難しい問題だが。
 ユーザとプロバイダーの双方のギャップを防ぐために過去に共通フレームというものが開発されISO化されている。しかしほとんど普及していない今、方法論だけ変わってもそれが根付くのは非常に困難なのではないだろうか?

都道府県等の平成19年度における入札及び契約の適正化に関する取組方針について

 国土交通省が「都道府県等の平成19年度における入札及び契約の適正化に関する取組方針について」を掲載した。結果のポイントは以下の4つである。
○約7割強の都道府県で昨年度(18年10月1日現在)より一般競争入札の対象範囲を拡大(既に原則全ての工事に導入している長野県を除く。)
○約8割の都道府県において総合評価方式の実施目標を設定
○入札ボンドの導入は、4県(岩手・宮城・埼玉・兵庫)に拡大(前年度は2県)
○全ての団体で電子入札システムを21年度までに導入予定。  【発表資料より抜粋】
 一般競争入札の導入は入札ボンドや総合評価方式をあわせることで不適格事業者の参入を防いでいる。この方針が実現されればよりクリーンな入札契約制度が構築されることになろう。入札ボンドにおいては過去の工事成績などにより手数料の変化が考えられる。そのため、4県に属さない企業も将来を見越して今のうちから対策を講じておきたい。

『トヨタの口グセ』

 『トヨタの口ぐせ』はトヨタの現場で長年培われた「言葉」を1.「リーダー」を育てる、2.「できる人」を育てる、3.「コミュニケーション」をよくする、4.「問題」を解決する、5.「会社」をよくする、という5つのテーマに分けて紹介している書である。活字も大きく200ページ程度なので通勤の行き帰りで読めてしまうのではなかろうか。
 この書のいいところは、読むだけでどことなくトヨタマインドが身についたような気になるという点。有名なトヨタ生産方式やカイゼンなどの進め方・ノウハウを提供するものではないので難しい知識もまったく不要なのでスラスラと読めてしまい、読み終わるころには1つ何かをやってやろうという気になる。
 そしてもう1つの良いところはそのボリュームである。前述の通り通勤の行き帰りで読めてしまうぐらいの量である。社員全員に読ませるのも1つの手であろう。またもっとおすすめなのは自分で何回も読めること。1回読んでその気になっても記憶力の悪い私はすぐに忘れてしまう。忘れたらまた読む。この繰り返しができてしまう。2回目、3回目に読むときはその都度あらたな気付きがある。読んだらすぐに書庫にしまいこむのではなく、繰り返し開ける身近なところにおいておきたい書である。

『中小企業再生の現場から』

 『なにわの中小企業再生の現場から』は大阪府の中小企業再生支援協議会のメンバーが実際の再生支援の現場での取り組みを交えながら中小企業再生の様々なノウハウを提供する書である。
 中小企業再生支援協議会において再生支援が行われるにはその企業の社会性(事業の独自性や雇用の維持など)が認められてなおかつ将来において再生の見込みがあるものとなるが、本書においてはその再生支援決定までについても記述されている。
 あくまで「再生支援」が主体であるから支援を受けたい経営者よりは支援を行う側の弁護士や会計士、中小企業診断士などが読むとよいと考える。ただし、再生支援を受けたい経営者も本書で紹介されているノウハウや事例を通して自社の活路を見出し或いは協議会に支援を要請する前準備のためなどに有用である。
 本書は中小企業の再生に関する一般的な知識の整理から始まり、大阪府中小企業再生支援協議会の話、さらには再生の進め方などの順に紹介される。後半は事例編としてより具体的な支援の進め方が記述されている。
 金融面の記述が中心で一部難解なところもあるが是非一読してほしい。

事業計画を具体的にするには

何か新しい事業分野を開始しようとしている企業を訪問して話をきいた場合、ほとんどといっていいほど具体性がないケースが多い。頭の中で考えているだけというわけである。そこで事業計画書や事業企画書を書いてみませんかとお願いする。でもそんなことは書いたことが無いと返答が返ってくる。
事業計画書や事業企画書には決まった様式があるわけではないが、書いたほうがよい項目というのはほとんど決まっている。最初からボリュームのある計画書を作成するのは大変であるから、こうしたケースで最初にすすめているのが国民生活金融公庫の事業計画書のフォームである。記入例も丁寧に記述してあり始めて書く人にとっても取り組みやすい内容となっている。
書く際にはその文面まではこちらでは考えない。経営者自身の言葉で伝える必要があるからだ。ひとまず経営者自身に書いていただき、わかりにくい部分を質問しながら体裁を整えていく。
この作業は頭の中では見えてこなかった問題点や課題を明らかにする効果がある。また、作成された事業計画書はそのまま国民生活金融公庫の融資申請にも用いることができる。申請の有無にかかわらず一度挑戦してみて欲しい。

設備投資の意思決定

 重機など設備投資する際に考えなければならない項目が大きくわけて2つある。
 ■有効な投資か
 設備投資を行っても売上・利益に貢献できなければまったく無意味である。新工法に対応するべく行う設備投資であれば当然売上高アップを図るために営業力も強化しなければならない。新工法のPRのための宣伝ツールを用意したり営業マンに工法の教育を行ったりするのだ。また新工法ではなく、同じ工法で原価削減に寄与する投資であれば売上高は向上しないかもしれないが利益率が向上し利益が増大しなければならない。投資した効果は予算原価管理などを用いて常時評価が必要である。
 ■リースか購入か
 初期投資を低減させるためにはリースも有効であるが、利率や節税効果なども含めて検討する必要がある。リースはリース料が費用算入できるほか、修繕費がリース料に含まれているケースもある。また固定資産として計上されないため固定比率、固定長期適合率といった安定性指標が向上し経営事項審査にも寄与する。逆に投資費用がある場合には購入も考える。減価償却費は法定内であれば費用に計上できる。各年のキャッシュイン及びキャッシュアウトを耐用年数の期間で一覧にし、現在価値に割り引く方法で判断材料を得ることができる。

 興味のある方は問い合わせされたい。

和歌山大学で打ち合わせ

今日は4月から開始される和歌山大学での講義について打ち合わせを行った。いつのまにかシラバスも公開されていた。講義は45分のビデオとその他ディスカッション等。現在も講義ビデオは製作中とのことで来週に再度打ち合わせを行うことになった。
ちなみに講義の開始は17日からで、毎週火曜日となる。

平成19年度の中小企業施策ガイドブック

中小企業庁より平成19年度の中小企業施策利用ガイドブックが発刊された。こちらのページからPDF形式で参照することができる。印刷物の発送は送料のみ自己負担で依頼することができるが、4月27日からとなっておりそれまでは平成18年度版となるので注意されたい。
この利用ガイドブック。初めて訪問する支援先にはいつも持参している。色々と支援施策があるのに知らない企業が多いからだ。重宝がられる一方、地元の県や市が行う施策までは網羅されていないので補足しなければいけないケースがほとんどである。
ガイドブックに各都道府県版が出れば最高なのだが、そこまで手取り足取りというのもどうかと・・・・

『中小企業の会計指針』あげます!!

 先日このブログでも紹介したが、建設業経理事務士のセミナーに参加した際に『中小企業の会計指針』が教材として配られた。しかし実はすでに所持していたので何と2冊になってしまった。
 2冊もっていても仕方がないので先着1名様に差し上げることにする。(ただし、着払いにて発送するので送料は負担されたい。) ただし、応募は建設会社の方に限る。希望者は yasucon@ea.main.jp までメールしてほしい。

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新年度がはじまった

 新年度がはじまった。(ちなみに当事務所は個人経営なので12月決算)
 この4月からいくつかの新しい職務に就くので紹介したい。
 ■あきない・えいどのアドバイザー こちらに私も紹介されている
 ■大阪商工会議所中央支部の経営相談員 月・木の10時~16時
 ■和歌山大学の非常勤講師
 まるで新入社員のような新鮮な気持ちである。この気持ちを大切にして新しい職務に全力で取り組んでいきたい。