プレゼンは声! -思わずうなずきたくなる声のルール-(2009-16/100)

プレゼンは声! -思わずうなずきたくなる声のルール-

仕事がら、プレゼン、セミナー、講師など人前で話す機会が多い。また相談窓口などでこちらからアイデアや考えを伝えることもプレゼンといえる。メラビアンの法則にもあるように見た目や音が与える影響が9割を占めるためやはり「声」というのは重要だと考えている。

しかしボイストレーニングを受けるための時間を割くことはできないのでときおり今日紹介するボイストレーニング関連の本を手にとって我流で練習してしまうのだ。(効果が出ているのかは不明・・・)

20090326 今回はここに記されていることを忘れず隙間時間でも練習できるように練習すべき内容をカード(実は名刺のウラ)に書き留めた。これを名刺入れに忍ばせておいて(書き留めたことも忘れるため・・・)思い出したときに練習したいと思う。

この本を読んで、声以外に注意したいと思ったのは場の一体感を作ること。アイスブレイクや冗談などを織り交ぜることで場を和ませることはやっているが、会場にふさわしい「声」をイメージするという発想ななかった。今度試してみようと思う。

A4・1枚究極の企画書―伝わる!通る!夢が叶う! (2009-15/100)

A4・1枚究極の企画書―伝わる!通る!夢が叶う!

社内外問わず企画書を提出したことがある人は多いと思います。私も会社員時代から社内提案制度などを活用して企画提案を出していました。提案のために作成する企画書にどういったことを記述すればいいか慣れないとわかり辛いですが、「企画書を受け取る人」を顧客と捉えればわかりやすさと伝わる思いの質・量を両立させる必要があります。
今回紹介したい本はそうした企画書をA4用紙1枚に収めてしまおうというものです。伝わる思いの質・量が変わらなければ企画書の量は少ない方がいいでしょう。量は伝えるために要する時間や無駄にする資源の量と比例しますから。
本書は作成する企画書をいくつかのグループにわけて作成方法をステップごとに説明しています。また60もの事例を掲載しているのでいわばビジネス文例集のように使ってもいいでしょう。この本を拝読して今考えている企画をA4一枚に収めた企画書を作成してみました。作成してみると質を落とさず文章量を減らすことに時間がかかります。そこは頭を使って工夫すべきところでしょう。字で説明すると長くなるところはイラストやグラフを使います。渡して終わりという場合とこの1枚を使って説明するという場合とで作成方法も違ってきます。なかなか面白い作業になりました。今回の企画書は見せる相手がいないのが残念なのですが…

本書はCD-ROMでテンプレートが提供されているバージョン『CD-ROMつきですぐできる! A4・1枚最速の企画書テンフ゜レート』もあります。私は買わなかったのですが効率よく企画書を作成したい人にはいいかもしれません。


日本でいちばん大切にしたい会社(2009-14/100)

日本でいちばん大切にしたい会社

最近、とある商店経営研究会の方々を前にセミナーでこう話したことがある。「顧客を満足させるためには顧客に接する社員を満足させる必要がある。顧客に満足させる社員を満足させるためには経営者自身が経営を通して満足していなければならない。」

多くの企業で派遣切りなどの雇用調整が行われている。一部の大手企業では社内にノウハウが蓄積しないため派遣社員を順次正規社員に切り替えるとのことである。どちらも企業収益のためということだ。大企業はそうせざるを得ないほど母体が大きくなって企業存続のために社員に満足させることを諦めてしまったように思える。中小企業は何と言ってもその要は「人」なのである。大企業と同じことをする中小企業に明日は無い。

欧米諸国の株主満足を第一に掲げた経営は狩猟民族にフィットする考え方だ。大地に根を張り共同作業で各人・各家庭が幸せに暮らしていける社会を形成する農耕民族である日本にはやはり社員を満足させることが第一であると私は考える。

そうした思いをより一層強く認識させてくれた1冊であった。

この本は1年ほど前に出版され、そのときにラジオ番組で紹介されたのを聞いていた。ラジオのなかで日本理化学工業株式会社のエピソードを聞いて是非読んでみたいと思ったのだが記憶の片隅で忘れかけていたころに書店で出会った。「お前は読んでおくべきだ」と言われている感じだった。

「いい会社」とは何か?

それは何かの受け売りではなく経営者自身が自分の理念に従って結論付けなければいけない重要な命題である。

「いい安田コンサルティング」とはどういったものか?

それを考えながら、経営者にもこの命題を問うてみたいと思う。

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を 覆した農家・木村秋則の記録(2009-13/100)

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を 覆した農家・木村秋則の記録

 木村さんのリンゴが食べたい。

 それがこの本を読み終えたときの率直な気持ちであった。いつもの書店で本を物色していたときにさわ やかな薄緑色の農園に満面の笑みで笑いかける一人の男の表紙が目に付いた。よくみると大きくあけた口 に歯が一本もない。(書のなかで歯がない理由についても触れられている)タイトルが「奇跡のリンゴ」 と気がついたのはその後である。リンゴ農家…あるいはリンゴ農家を立て直した敏腕経営者…そのどちら にも見えないこの方、木村さんに対して1時間後には「すごい!」と唸ってしまった。

 有機栽培や無農薬栽培などの農野菜がちまたで見られるようになってもう何年も経つが、どちらかとい うと野菜が中心で果物ではあまり見かけない。リンゴはもちろんのことミカンにイチゴ、ブドウにバナナ …確かに見かけない。それぞれに理由があるのであろうが、リンゴはそれが不可能に思えるほどとてつも なく難しいということらしい。

 木村さんのそのとてつもなく難しいことに挑戦したことを綴ったこの本からは農業の行き着くべき1つ の究極の姿とそこに行きつく過程で木村さんが得た、そして自分も共感する気づきを見ることができる。

 本来そこにあってはならない植物が自然の力により虫などの動物や菌類による病気に侵される。それを 防ぐために農園と呼ばれる造成し虫もいない、雑草も生えていない特別な区域を造成し農作物を育てるの である。無菌ルームで子供を育てるようなもの。だから得られる果物もデリケートで弱い。木村さんのリ ンゴは腐らないらしい。放置するとカビなどに侵されることなく乾燥だけが進んでいくそうである。

 そうした特別な区域では自然界のバランスが崩れているためにひとたび虫や菌類に侵されるとすぐに深 刻なほど進んでしまう。自然界ではそれぞれに天敵が存在するためにそうはならない。昨今話題になって いる生物界の多様性である。リンゴ農園に自然界のバランスを組み込む(というより取り戻す・溶け込む )ことにより完全無農薬を実現させたのである。木々本来の生命力によって自然界でうまく育つようにサ ポートだけを行うことが木村さんのやり方。

 「サポートする」仕事が多い私にとってこの取り組み姿勢が大きく刺激になった。木村さんは理論知識 武装した現場主義者である。多くの本を読み漁りながら理論・知識を取り入れ自分で仮説を立てて現場で 実証していく。結論は現場が教えてくれる。自分もそうありたいと思う。

六法で身につける 荘司雅彦の法律力養成講座(2009-12/100)

六法で身につける 荘司雅彦の法律力養成講座

ここでいう法律力は弁護士や司法書士、行政書士など法律の専門家が持っているような知識・ノウハウのことではありません。知らない条文を読んでもそれを解釈して今現在直面している問題に当てはめて理解する力です。

本書は憲法、民法、刑法など誰もが名前ぐらいは知っている法律をもとにその根底を流れる考え方・思想を理解することでそうした力をつけることを目的としています。

私は行政書士の受験生として拝読して色々なところの理解が進んだように思えます。そうした意味ではそうした試験の受験生にとっても有効だと思われます。

特に憲法にある「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」の3原則のなかで基本的人権の尊重が一番大切であるという解説が気に入っています。国民主権、平和主義は基本的人権を尊重するために必要なものということです。そして基本的人権の尊重とは他人に被害・迷惑を及ぼさない限り守られるべき権利です。

この数行のことを理解するだけで色々なことが「暗記」から「理解」へと変わりました。

法律を勉強している人だけでなく、広く一般の方にもオススメです。

宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み(2009-11/100)

宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み (日経ビジネス人文庫 オレンジ に 2-1)

西岡常一氏の自伝とインタビュー・座談会などの内容をまとめたもの。自伝は日本経済新聞の「私の履歴書」コーナーに掲載されたものだ。

この本を拝読して思うところは2つ。

1つ目は「工」という字である。先に紹介した小関智弘氏の著書の中になるのだが、「工」は訓読みで「たくみ」と呼ぶ。小関智弘氏はものづくり・製造業を主として工(たくみ)が集う場(ば)としての「工場」が中心である。西岡常一氏は言わずと知れた日本一の宮大工である。「大工」は大きな工(たくみ)と記す。建設業で「工」の字を見て最初に思い浮かべる言葉はもちろん「工事」である。「工(たくみ)が成す事(こと)」という意味に捉えたい。そして「工(たくみ)」という言葉には経済社会の効率や収益といった言葉は馴染まない。しかし今の経済社会により多くの「工(たくみ)」が流出し失われ日本全体の大きな損失になっていると思う。また「工事」を単なる経済活動や作業としてしか考えられず「工(たくみ)」の心を失っている人が多いように思える。「大工」になりたい子供が増えていると聞いたことがある。そうした子らが思い描く「大工」は「工(たくみ)」だろう。そうした夢を実現する場を守ることに貢献できればと思う。そのために自分は工事屋ではないが「工(たくみ)」を目指したい。

2つ目は西岡常一氏の宮大工としてより人間としての生き様に多くのことを学んだこと。
自伝の中やあるいは周りの方々の言葉から色々な発見や気づきがあった。ここはうまく表現ができないのであまり多くは書けないのだけれど…

私がよくお世話になりこのブログでも何回か登場する幹工務店の西出氏からの言葉もこの本の言葉も共通することが多い。家を建てるには木を知り土地を知り文化を知り歴史を知ることで深みが生まれる。そして大地の育みを自然な姿で組み上げることが本来あるべき家づくりのように思える。

町工場・スーパーなものづくり (2009-10/100)

町工場・スーパーなものづくり (ちくまプリマーブックス)

大阪の岸和田市内のある精密加工会社を訪問した際に近くの古本屋に立ち寄り見つけた本。小関智弘氏の本を紹介するのは2度目だ。

我々が目にする様々な製品には多くのものづくり企業が関係している。その企業で腕を振るう職人の数ともなればその何倍であろうか。中小企業が共同して人工衛星を飛ばし技術力を猛烈にアピールした。宇宙開発、医療機器、微小機械など「ハイテク」と称される技術は一次加工から最終加工まですべてがハイテクである。旋盤やフライス盤、プレス加工・・・昔から耳にする加工技術や技は職人達の探究心・こだわりにより今もすさまじい進歩を遂げている。それは機械化・自動化の歩みではなく、あくまで職人自らの足による歩みである。

そうしたことを小関氏の本は教えてくれる。

ある町工場を訪ねたときに見つけた「町工場・スーパーなものづくり」というタイトルの本。古本棚の隅においやられていたが、ここに記されていることはものづくりの最先端だと私は思う。

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵(2009-9/100)

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵

先に申し上げておくと、私は株などの投資を行いません。国債すら買いません。貯金はせいぜい定期預金に預けるだけ。ちなみに恥ずかしい話であるがバフェットがどういった人なのかも知りませんでした。そんな私がこの本を読む気になったのは、ある本で紹介されていたことと、もう1つは投資家の心理が知りたかったことの2つからです。

私の投資家のイメージは高低する株を安値で買い、高値で売ろうと短期に売買を繰り返す人。機関投資家や経済評論家等の声、さらには経済ニュースに敏感で携帯電話や会社のパソコンからも売買取引を行う人。ただし、これは偏見だろうと思う。

バフェットは私のいう「投資家」ではなかった。本書の中の言葉を借りると長期的経済価値をうむ企業の株を適正価格で手に入れ、長期間保有することが彼のいう投資の知恵である。

本書はこうした知恵をバフェット本人の身近にいたメアリー・バフェットとデビッド・クラークの両氏がつづったもの。

副題はあまりにも下品だが原書は「The Tao of Warren Buffett: Warren Buffett’s Words of Wisdom」である。

あるポリシー・信念を貫き大きなことを成し得た成功者の言葉として受け止めると、参考になるものが沢山ある。投資に限らず経営や人生の教訓としても。時間をあけて再読したい一冊だ。

日本一わかりやすい会社のつくり方(2009-8/100)

日本一わかりやすい会社のつくり方

以前、NPO設立に関してわかりやすい書籍ということで「図解 NPO法人のつくり方・運営のしかた(2009-4/100)」を紹介した。「会社設立では?」ということで書店に並ぶ様々な設立ノウハウ本の中で一番わかりやすいと私が判断したものを紹介します。

本書は株式会社を設立するまでに必要な定款認証や登記申請などの手順をわかりやすく説明しています。さらに法的な申請手続きだけでなく、「このタイミングで会社印を作成する」、「このタイミングで銀行口座が作成できる」など設立に関する周辺作業についても説明されています。本書の中では社長1人で開業するというケースが主になっています。1人で操業する際には定款作成前の発起人会議を省略できるなど実務的な事柄にも触れられています。定款のサンプルもあり、この本を片手に独力で会社設立ができると思います。
さらに後半では経営者として必要な考え方やノウハウなども紹介されております。こちらは少しボリューム、内容ともに物足りないですが、起業を思い立ったものの具体的な計画も何もない人に導入編としてちょうどよいかもしれません。

2時間もあればざっと読めてしまいます。おすすめです。

建設業コンプライアンス入門(2009-6/100)

建設業コンプライアンス入門 (大成ブックス)

建設会社が遵守するべき法律は建設業法、建築基準法をはじめ多岐に渡る。

建設業界でコンプライアンスについて語られる多くの場合は下請取引に関するものである。一般の中小企業には下請代金支払遅延防止法があるが、建設業の下請に関しては建設業法がそれにかわっている。また建設という産業は多くの産業廃棄物を排出することから建設リサイクル法をはじめとした環境分野の法律にも配慮が必要である。
法務部門がある大手建設会社ならともかく、こうした法律の同行を1つ1つ追っていくのは至難の業であり中小建設会社においては総務・経理・人事と一人で担当している企業も多く存在する。そうした企業においては深く掘り下げることは難しいが、広く浅い知識をインプットしておき、具体的な事案にあったときには専門家を利用するなどが現実的であろう。
本書はそうした建設会社が遵守すべき法律を広い範囲にわたって解説している。なかには企業によっては関連が薄い法律も含まれているが一読して浅くてもいいので法律知識をインプットしておくことが大切だと考える。
著者は弁護士や大手ゼネコンのCSR担当者があたっている(複数の著者による共著であるがゆえに担当章ごとに言い回しが異なるところが少し気になった。)
経営事項審査においても行政処分による減点措置が平成20年より始まっている。年を追うごとに罰則も厳しくなってきている。企業としての信頼性を守るためにもコンプライアンスには気をつけたいところだ。