透水性舗装

 和歌山城横を歩いていると透水性舗装が施されている歩道があった。
12 案内板によれば透水性のため雨を地下水に戻す効果があり、河川の氾濫を抑えられる効果があるということと保水するためにヒートアイランド現象を抑える効果があるということであった。雨が降っているにもかかわらず全く水溜りなどはできておらず歩行も快適であった。
すべての道路での施工はおそらく施工単価のこともあり難しいと考えるが、人通りの多い駅前やショッピングセンター周辺、また観光客等が利用する歩道などに施工すると良いと感じた。

大鳴門橋に鉄道?

 今日は研修二日目。研修の合間に渦潮を見学した。渦潮も気になるがもっと気になるのが大鳴門橋。吊橋のフォルムがとても美しかった。
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大鳴門橋は1976年から9年の歳月を経て1985年に竣工した。吊り橋はアンカーレイジと主塔の先端をメインケーブルでつなぎ、メインケーブルからハンガーケーブルを垂らし橋全体を吊る仕組み。大鳴門橋は主塔がクリーパークレーン工法、面材架設にはトラベラークレーン工法が採用されている。
 実はこの橋、上下2層式になっており、上部は高速道路、下部は鉄道を通す構造になっている。しかし明石と淡路島をつなぐ明石海峡大橋が道路単独橋のため鉄道が開通する可能性は極めて低いといえる。
 爽快な天気の下、圧倒的迫力の大鳴門橋を眺め日本の橋梁土木のすばらしさを改めて実感した。
 

伝統の淡路瓦

 今日から淡路島にて2泊3日の研修。初日の今日はあいにくの天気であったが、いぶし瓦の製造を行う企業様を訪問させて頂き、工場内を見学したり会長、社長の話を伺うことができた。 いぶし瓦は粘土瓦の一種で表面をいぶすことにより表面の炭素配列を整え銀色の光沢を出している。季節や天気などで表情を変え非常に趣き部会。淡路島が日本最大の産地(44.9%、2位は愛知県)で訪問した津井地区には他にも多くの製造窯が存在する。粘土瓦には他にも釉薬(ユウヤク)瓦(又は陶器瓦)や塩焼瓦がある。形状によっては平板瓦と呼ばれるものもある。
 製造方法は土と水をクラッシャーと呼ばれる装置で混ぜ合わせ土練機によって練られ成型される。カット、プレス後に乾燥し刷け土を行い最後に半日以上の時間をかけて焼成する。成型の形によって様々な瓦を作ることができる。淡路瓦の紹介パンフレットに掲載されているものだけでも1,000種以上あった。
 淡路瓦は鬼瓦や家紋を入れた瓦など芸術性あふれる造形もあり、単なる屋根材としてではなくインテリア、エクステリアなどで様々な応用が考えられるものである。また、当日宿泊したホテルではタイルとしても用いられており文字通り「いぶし銀」の渋い光沢を放っていた。
 しかし流通面ではプレハブ住宅やマンションが多い現在、粘土瓦全体の出荷量も減少しており平成16年度で8.8億枚、この10年で45%減という厳しい統計資料を頂いた。本格木造住宅を好む施主がいたとしても都市部では広い建設用地を確保することが難しいためコンパクトな構成になりがちであり、小さな家の屋根には少し重厚すぎる印象もあることから今後も「瓦」として流通量を増やすことは難しいと考える。
 もう一つ淡路瓦を屋根瓦として検討する際に気になるのがコストである。スレート瓦、セメント瓦の方が瓦1枚あたりの単価はもちろん安い。葺き替え時のコストは100?換算で130万円(石綿スレート55万円、セメント70万円※)である。しかし住宅に要する費用は最初の建築費用だけでなくメンテナンス費用も要する。淡路瓦は20年、30年とメンテナンスが不要であるが石綿スレートやセメントは10年に一度ぐらいはメンテナンスが必要となってくる。20年でのトータルコストは同換算で淡路瓦は同額の130万円で石綿スレートは175万円、セメント瓦は190万円との試算であった。
 流通量の減少を極力抑えるためにも淡路瓦の優れている耐久性、耐火性などを広く周知させることが大切であると考える。そのため、生産者は建築設計事務所や建材店などに積極的に瓦の良さをアピールしていく必要がある。

※いずれも数値は兵庫県粘土瓦共同連合組合連合会作成の『Roof Plannning Book』を参考にした。

安心のホームページ

工務店のホームページを開設する際に必ず必要な要素がいくつかある。
■商談から引渡、アフターメンテナンスまでの契約面での詳しい流れ
■施工事例(写真の羅列だけでは全く意味が無い。その事例の特徴と施工する側のこだわりなどの解説を必ず加える。)
■自社の社長、営業担当者、施工(管理)担当者の顔(大きな買い物なので生産者の顔が見たくなるのは当然である。)
■顧客の声(顧客アンケートの内容や評判)
5月5日の工務店新聞の『ネット時代の集客装置工務店ホームページ拝見』のコーナで紹介されていたルピナスハウスでは豊富な情報量で「安心感を与えることができる」としている。ホームページの安心感については以前書いたことがあるがこの安心感が非常に大切なのである。
ルピナスハウスの場合は新築施工事例の紹介についてもう少し詳しい点と記述が欲しいところであった。また契約面の流れのコーナも欲しいところである。

ホームプロ

このブログでも紹介している「ホームプロ」であるが、自分自身でも利用する機会ができた。住宅のクリーニングとクロス替えなどが目的だ。
ホームプロで業者を紹介して欲しい場合、リフォームやバリアフリーなどのカテゴリ別にわかれた該当項目を選択し見積依頼を行う。おそらく該当カテゴリに登録されている工務店などにメールなどで連絡が行くのであろう。最初、「ハウスクリーニング」のカテゴリで見積依頼を出したが何の音沙汰も無かった。登録業者数が少ないのか見積依頼した内容に興味を示さなかったのか・・・次は「リフォーム」の方で同じ内容で見積依頼をすると1社応じてくれた。今日、現場を見ていただき後日詳細な見積を頂くことになっている。
当初、私の予想では見積依頼に対する返事が殺到し、応対に困るのではと心配していたが全くいらぬ心配であった。ホームプロに登録されている業者数は明らかではないが、登録できる基準が設定されている。以下はホームプロのホームページから抜粋。
1.資格
サービス提供に必要な資格・許可を有すること
※ リフォームは一般的には何ら資格がなくても施工できますが、ホームプロでご紹介する加盟リフォーム会社には「建設業許可」まで要求しています。
(建設業許可は、業者紹介申し込みメニューの【リフォーム】から申込んだ時に対応する会社には要求していますが、それ以外の【ホームメンテナンス】や【バリアフリー】などに対応する会社は許可をとっていない場合があります。)
2.遵法 建築関連法規、消費者契約法等に関連して、過去2年間処罰を受けていないこと
3.保険 加入している保険についての情報を顧客に提供すること
(会社によって加入している保険の種類が異なります)
4.実績 過去2年以上のサービス提供実績があること
5.顧客満足
(CS)  加盟時に過去1年以内の利用者10名以上の中から任意の3名以上に対する調査の結果問題がないこと、
加盟後はホームプロが紹介した全利用者に対する調査の結果問題がないこと
6.運用 インターネット利用環境があること、顧客からの照会には迅速に対応できること
7.その他 業務別に別途定める基準を遵守すること

今後、この商談がどうなったかを紹介したいと思っている。

スカイプで同時通訳

 日経産業新聞より
 インターネット電話「スカイプ」にて同時通訳サービスが開始された。(関連ニュースはこちら。)しかも24時間対応で利用料は1分あたり2.99ドル。 建材などで直輸入や代理店などの業務を行いたいが言語の違いなどが障壁になっている場合、同サービスの利用により解消される可能性がある。
 それにしてもスカイプの普及は目覚しいものがある。登録利用者が1億人を突破し、この7ヶ月で倍増である。パソコンを利用した電話なのでパソコン間であれば通話料が無料になるほか、テレビ会議や同時通話などのサービスも利用できることが急成長の要因と考える。スカイプインやスカイプアウトの技術により固定電話などとの通話も可能となる。
 通信費の経費削減対策としても利用できるスカイプ、あなたの会社でも利用を検討してみてはいかがだろうか。

口コミ効果で業績が急上昇

女性市場専門の口コミ・マーケティングを行っているハー・ストーリィに関する記事が工務店新聞(2006.5.5)に掲載されていた。住宅建築やリフォームで多くの決定権を有する女性に対する口コミのマーケティングは重要である。先日紹介したライフスタイルショップにおいても口コミによる拡大が期待できる要素もある。
同記事によればクチコミュニティ・マーケティングの流れは次の通り。
1.クチコミが広がるしくみ(イベント等、友人が参加する機会)を作る
2.クチコミされる良いネタ(話題性)もつくる
3.良いネタをクチコミしてくれる人たち(コミュニティ)をつくる
4.クチコミのネタが正しく伝わる工夫(情報発信・配布物の活用)
ライフスタイルショップにおいては常連様に対して特典を与える一方ビップ顧客としてクチコミして頂き易いように情報提供や紹介客特典を設けるなどの展開があろう。ショップを開くだけでなく定期的な会合を開くことも広く展開するための有効な手段と考える。

ライフスタイルショップ

 工務店の集客手法として注目されているライフスタイルショップ。従来の工務店にありがちなショールームとは全く異なる角度から顧客を囲いこむ戦略である。
 ショールームとの違いは自社の位置づけである。あくまで工務店としてシステムキッチンやトイレなどの設備を見てもらい施工につなげていくのがショールームだ。リフォームを考えている顧客だけがターゲットである。
 しかし、ライフスタイルショップはライフスタイル(生活様式)自身を提供する。もちろん衣食住のライフスタイルのうち「住」を提供することになるのだが、個々の設備ではなく統一されたデザイン(設備に加えてインテリア雑貨も)を提供する。来店する顧客に対してトータルイメージで訴求するのである。そのためインテリア雑貨店やカフェを併設する場合が多い。
 特に営業担当などおかずにライフスタイルショップだけで受注が確保できている工務店などもあるが、表面だけ真似をしてもそうはいかない。成功している工務店は地場に根付いたマーケティング手法など研究を重ねて形にしているのである。しかし、参考になる部分も多いことは確かである。
 顧客の好みは多種多様化しているとよく言われる。個々の設備に関して言えば要望は多岐に渡る。しかし、トータルデザインに対する好みについてはどうだろうか。多くの顧客は同じものに対して一定以上の好感を感じそれが流行になるケースもある。それであれば、各種設備を多種多様そろえるよりは1つの洗練されたデザインで勝負する方が効率的ではないだろうか。

 以下のサイトが参考になる。
 [L.S.L]  ライフスタイル ショップ リンク

高齢者向け住環境整備の場所別項目

 福祉住環境コーディネータの学習を継続しています。
 高齢者向けの日常生活、身体状態に合わせた整備を行う際の場所別ポイントがあります。
(1)玄関・・・安全に外出しやすい
 ○玄関から道路までの動線に手すり
 ○式台や段差解消機を設置し段差解消
 ○腰掛けいすを用意
(2)廊下・・・安全に通れる
 ○歩行を安定させるための手すりの設置
 ○通行幅員や介助しやすいスペースの確保
(3)居室・・・快適
 ○介助スペースを想定したゆとりある空間
 ○空調設備による部屋の温度・湿度の調整
 ○家族から孤立しないような場所
 ○夜間に使用しやすい照明
(4)トイレ・・・落ち着ける
 ○室温調整と立ち座りのための手すりの設置(L型)
 ○介助を想定したゆとりある空間
 ○一般には洋式便器や温水洗浄便座がよい
 ○戸は引き戸か外開き(緊急時に救出しやすい)
(5)浴室・・・安全で快適
 ○介護しやすいように広めのスペース
 ○段差解消、すべり防止、手すり設置
 ○浴槽の高さ調節、出入りしやすいいすやバスボード、リフト類の活用
(6)階段・・・昇降しやすい
 ○手すり、すべり止め(ノンスリップ)の設置
 ○階段昇降機、足もと灯、電源確保の検討
(7)台所・・・安全
 ○火元確認と調理のしやすさ
 ○後始末と整理しやすい食器類

 ”高齢者”という画一的な検討は危険ですが、検討項目にモレが無いように上述のような検討基準を設けておくことは重要だと考えます。

コストにも地球にも優しい基礎杭工法

 日経産業新聞より
 旭化成建材は掘削による排出残土が少なくなる工法を開発した。同社の従来工法と比較して7割削減できる。さらには杭1本あたりの設計支持力が3倍になるため、杭の本数を減らすことができ工期短縮につながる。すなわちコストダウンができるということだ。基礎杭工自体に要するコストや工期短縮率などの情報が無いので一概には言えないが検討の余地はあるだろう。
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