福祉住環境ヒアリングのための調査票

福祉関係のリフォームを行う際に利用者の身体機能、家族状況、経済状況、住環境などの情報と利用者や家族の問題点、要望などの情報を合わせてヒアリングを行いますが、漏れが無いようにチェックシートを活用することが重要になる。
福祉住環境コーディネータのテキストではコーディネータ(もちろん工務店でも活用できる)が利用するチェックシートの標準的な様式を掲載している。同様のものが大阪府のホームページからも参照できる。工務店での利用ではもう少し住宅状況欄の拡充が必要だが、こうしたチェックシートの活用で施工品質を整え顧客満足を得ることができる。打ち合わせの内容記載にも使えるので是非活用して欲しい。

工事受発注、ネットで

 日経産業新聞より
 穴吹工務店が工事の受発注業務について取引先企業と電子商取引を開始した。5年以内に取引先の7割を電子商取引でカバーする。見積依頼、回答、注文書発行、受理などを行う。3年後には工事進捗確認や請求業務まで拡大し一連の手続きを電子データで完結できるようにする。
 電子商取引によるメリットは電子データの交換によるミスの軽減(手直し等のコスト増抑制)や管理業務時間の短縮、そして印紙税負担の軽減だ。注文請書に貼る収入印紙は最低でも200円。ある中堅ゼネコンだと年間3万件もの発注があるとのことで、最低でも年間600万円のコストダウンとなる。そのメリットを下請企業と分かち合ったとしても300万円である。コストダウンはそのまま利益につながるだけに導入効果は大きい。
 穴吹工務店では交換する電子データの規格は「CI-NET」を利用している。ビジネスプロトコルなどの情報はこちらで参照できる。

LLPによる管理部門統合

 日経産業新聞より
 大塚製薬と大塚ビバレジがLLP(有限責任事業組合)を活用して自販機の管理部門を統合した。大手企業がLLPを利用することは珍しいが経営のスピードと柔軟性を確保し事業環境の急速な変化に対応する。
 さて、このLLPであるが管理部門の統合を目的と考えるのであれば建設業では古くから進められている共同資材購入などの購買分野での活用が考えられないだろうか。LLPに対して購入希望資材の情報を集中させ、大量発注による購買差益をLLPの収入とする。LLPは利益配分も自由であるから購買差益は共同購買する各社への配分が可能となる。従来ならば共同購買を行うにしても組織が別々であり進めるにあたって様々な”壁”が存在したがLLPにより1つの組織にまとめることでより効率的に効果を得ることができるのではないだろうか。

工務店が押さえておきたい福祉系リフォームの施策

福祉住環境コーディネータの学習を進めている。
個人住宅向けの具体的な施策を以下に列挙するが、これらの施策はリフォーム顧客が把握していないことが多いため工務店側から提案すると顧客側の経済負担が抑えられることはもちろん、信頼性の向上も期待できる。
1.住宅金融公庫の融資
(1)バリアフリー住宅工事割増増資
(2)高齢者等対応設備設置工事割増増資
(3)高齢者等同居住宅特別加算
2.年金バリアフリー住宅資金融資
※年金資金運用基金が年金積立金管理運用独立行政法人として新たにスタートしたため廃止
3.高齢者住宅整備資金貸付制度
※各都道府県、市町村が実施。大阪市はこちら。
4.生活福祉資金貸付制度
5.住宅改造費助成制度
※各都道府県、市町村が実施。流山市はこちら。
6.住宅改造費の給付制度
7.高齢者民間アパート借り上げ事業
8.高齢者・障害者世帯住み替え家賃助成制度
※各都道府県、市町村が実施。川崎市の精神障害者世帯向け事業はこちら。
9.リフォームヘルパー制度
10.リバース・モゲージ制度(長期生活支援資金)

式年遷宮と技術者育成

 伊勢神宮の式年遷宮というものを最近知った。20年に一度同じ形の社殿を新しく造り替える行事のことだ。その歴史は古く1300年前に天武天皇が定めたものとのこと。このご時世、すぐに「どれぐらいの費用がかかるのだろう?」と考えてしまうが、ここで書きたいのは技術者育成について。宮大工や屋根を葺く萱工が20年に一度ではあるが、必ず必要となってくるということだ。当然熟練した職人でなければならない。とすればある年の式年遷宮が完了するとその年から技術者を育成したら次の式年遷宮には20年のキャリアを持つベテラン職人が育て上げられるということである。スパンを2回にすれば40年の職人ということになる。
 ここでいいたいのは技術者育成とその計画である。2007年問題もそうであるが、建設業は不況時に大きなリストラを行ったため技術者不足が慢性化している。あなたの会社で必要な技能とは何だろうか?それを習得している人材は?またその将来計画は?これを一覧表にして人材育成計画とすればよい。特に重要なのは最初の技能の洗い出しである。抜けがあって気づいたときにはもう遅いのである。時間がかかる技術者育成、計画的に取り組んでほしい。

工事原価構成に関する数字遊び

 建設工事における原価は4要素(材料費、外注費、労務費、経費)で管理する。外注費は下請への発注費用であり、その外注工事を請けた会社は新たに4要素(材料費、外注費、労務費、経費)で管理する。下請け階層が深くなるほど材料費・労務費率が大きくなるが、元請レベルでざっと比率でみると2:6:1:1となる。この6がさらに下請けにいって2:6:1:1となる・・・これが永遠に繰り返されたら結局は材料費、労務費、経費の3要素の構成となるわけだが、その合計比率はどうなるのだろうか。
 【材料費】
 元請 0.2
 1次下請 0.2×0.6
 2次下請 0.2×0.6×0.6
 :
 ということは初項0.2、公比0.6の無限等比級数ということになる。材料費の合計は0.2/(1-0.6)=0.5ということだ。同様に労務費、経費も求めると0.25、0.25ということになる。建設工事の原価構成比を材料費、労務費、経費でみた場合、材料費50%、労務費25%、経費25%ということだ。(※これは上述2:6:1:1の6を除いた比率に一致する。)実際には下請ほど外注比率が下がるので概算近似ということになる。材料が半分で加工費が1/4。この数値、現場の感想としてはどうなのだろうか。

土木のはなし

先日、古本屋を何気なく探索していましたら『土木工学要論―土木のはなし』なんて本を見つけてしまいました。思わず購入・・・
まえがきを読むと、どうも土木工学を勉強する初学者向けに書かれた本らしい。土木工学を専門にすることは無いが、自分にとてもぴったりだと嬉しくなってしまった。
そこから得られた知識をすぐに受け売りすると「霞堤」というものをご存知だろうか?
戦国武将武田信玄は治水工事でも有名なのだが釜無川の氾濫対策のために築造したものらしい。少し調べた。(わかりやすかった解説はこちら。)洪水の勢いを弱めることと、溢れ出た水を速やかに川に戻す2つの目的があるとのこと。
もう一つ。「聖牛(ヒジリウシ)」。解説はこちら。川の流れを抑制したり締切工事に用いたりするものらしい。賢人の知恵はすごい!

公共工事に使います!ベンチャー企業の新技術・新製品を募集!

大阪府が公共工事に利用できる新技術・新製品を募集している。
建設業においては新しい資材や工法などを開発しても適用事例を作ることに大変苦労する。耐震技術などもそうである。社会的なインフラや自宅を建設する際に不確実な製品や技術は使いたくないのは当然だろう。何しろ金額的に規模が大きいからである。しかし逆に考えれば公共工事などで使われているとなれば安心して使えると思うのも事実である。
大阪府が募集するには以下の新技術・新製品である。
※募集要項より抜粋
■赤外線の反射機能による建物屋根の遮熱性の向上技術
■府内産間伐材を活用した木製フェンス
■安全性を考慮した多自然型護岸工法
■郷土植生誘導型法面緑化工法
■土木施設の維持管理技術・製品
<1.府民の安全・安心の確保>
1)車道舗装の凍結を防止する技術(舗装技術又は塩化カルシウム等に代わる凍結防止剤等)
2)道路施設の改善(コンクリート構造物の劣化を抑止する表面皮膜技術)
3)構造物の老朽化診断機材(車道アスファルトのわだちぼれ・クラックやコンクリー
ト構造物の老朽化確認機材等)
<2.府民の生活環境の改善>
1)府道における騒音・振動軽減技術(道路施工目地やくぼみ等)
2)消費電力、耐用年数に優れた道路照明施設(白色LED等の応用活用)
■外壁表面の防汚機能を持つ外壁コーティング材

募集に関する情報はこちら。締め切りは5月24日(水)

工務店向けアフターメンテナンスチラシ

 工務店において新築・リフォームのアフターメンテナンスは重要なサービスです。丁寧な対応がリピート商談につながります。
 先日紹介したPOPソフト『ラベルマイティ』でアフターメンテナンス用のチラシを作成してみました。 Mente_1
工夫した点は以下の通りです。
1.顧客への露出を高める目的で年間カレンダーをつけています。やはり冷蔵庫などに貼って欲しいので女性に受け入れられやすいデザインにしました。(したつもりです・・・)
2.アフターメンテナンスのメニューと実施予定日を記入して提示できるようにしています。この予定日周辺で工務店側から連絡を入れることになります。連絡後訪問となりますが、御用聞きも忘れてはいけません。
3.会社情報は社名、担当者、電話番号を大きく掲載しています。あまり住所などを大きくしても意味がありません。アピールしたい情報を大きく載せることが重要です。

いかがでしょうか。

中小企業白書、発表される

 2006年度版中小企業白書が発表されました
 ホームページから全文、概要を閲覧することができます。概要によれば中小企業の景気動向について、大企業に比べて遅れているものの改善しているとの記述があります。しかし地域別には東北・中国・四国地方、業種別には建設業・小売業等の非製造業が伸び悩んでいるともあり、やはり建設業については以前良くない状態が続いていることがわかります。
 その他の動向として国際化への対応やコミュニティビジネスに関する記述などが概要から得られます。受注個別生産が多い建設業においては国際化が難しいところもありますが、建築分野を中心に資材の国際調達については十分考慮に値します。コミュニティビジネスは自治体の対応について述べられていますが、コミュニティの育成は地域住民が主体です。地域に根付いた建設業も得意とされる分野ではないでしょうか。建築リフォーム関連や福祉住環境関連などでコミュニティの育成可能性が大きいと考えています。